巣立っていく娘に思う

 義父の死からそれほど経たないが、4月になり娘の進路が決まり、慌ただしく住居探しに3人で出かけました。何とか気に入った部屋が見つかり娘はご満悦だったが、今までいた者が側から離れると言うことは切ないことです。

 あれから何週間かが過ぎ、先週三者面談と生活用具を入れる為にまた3人で出かけ、アパートで僕一人せっせと引っ越し運搬、母子は三者面談という一日になりました。僕は引っ越し作業を終えると一人で慣れない道をナビの声を頼りに迷いながら運転し岡山に帰り着いたのであります。それから数日し、昨日妻を迎えにまた数百㌔を運転して行きました。部屋に着くときっちり掃除をしてあるはずが、あちこちに汚れが有り、会社に連絡すると丸で清掃をしていないという話。明日清掃にいきますということで、我々夫婦は帰ったのだが、前住民から2万数千円という金額を取っているというのに、我々が指摘するまでは清掃をしていないというのでは詐欺という者では無いかと思ったものです。いったいこの国は何故こんな恥を知らない国になったのでしょうね。私たちが支払った清掃代金もきっと次の住民が指摘しない限り知らんぷりなのでしょうね。

 さて帰り道。ナビとは便利なのもだけれど、使い慣れないとやはり迷います。帰りは、ナビを信じない妻にナビの操作を任せたため、妻はなまじ道路感覚があるため返って違う方に行く始末。散々ナビに振り回された格好になってしまいました。

 やはりナビを使うのはまるで方向音痴のわたくしが使う方が早く帰られるということが判った次第でありました。

 さてその翌日である今日、娘は昨夜寂しく一人で過ごし、朝から清掃の人を待ったのですが、なんと来たのは清掃会社の方でなく、住居のレンタル会社の方。安く仕上げたかったのでしょう。

 娘はさすが今日一日寂しかったのでしょう。新しくできた友人宅に遊びに行った様子。自炊の意気込みも忘れ自分を甘やかし駄目な人間になって欲しくないと思うのは、自分のことは棚に上げても自分に厳しくと思うのは、幸せになって欲しいと思う親バカ以外の何者でもでも有りません。今頃やっと、母の、父の寂しさが判り始めました。